資料A 白神山地世界遺産地域管理計画改定案に対する意見

2013年 2月20日

 

白神山地世界遺産地域管理計画(案)に対する意見

 

[宛先]  環境省 東北地方環境事務所 殿

[氏名] 青森県勤労者山岳連盟  会長 成田茂則

[郵便番号・住所] 〒030−0919 青森県青森市はまなす2−11−15

[電話・FAX番号]  017−726−0701

 

[意見]

<該当箇所> 4、管理の基本方針 (3)地域区分による管理 ア、核心地域(A地域)

   並びに 5、管理の方策 (2)遺産地域の適正な利用 ア、基本的な考え方

<意見内容>

登山を制限しないでいただきたい。

<理由>

 そもそも白神の森は、狩猟や山菜採り、渓流釣りや沢登りに自由に出入りしていた地元住民や登山者が、ブナを切り出す青秋林道 建設計画に反対し、存続させたという経緯があります。

 それを、世界遺産を契機に、森を守った人たちの入山を禁止するということになり、地元住民や登山者が猛反発、大きな問題に発 展しました。

 1995年11月に示された白神山地世界遺産地域管理計画に基づき、地元の意見を聴く「懇話会」において大議論の末、船越昭 治座長が入山は『当分の間、試験的にルートを指定し取り扱う』と集約・答申し、核心地域の入山は27ルート(緩衝地域は入山 自由)となり、地元住民や登山者には不満が残ったけれども、ひとまず決着した経緯があります。

 そもそも白神山地は、今管理計画案でもこれまでの歴史では人手が入っていたと記されているように、入山する人がいて貴重なブ ナ原生林が守られてきました。

    世界遺産条約の加盟国の任務2では、「金をかけて修復し、丁寧にしまいこんで保存するのでなく、保護すると同時にその地域   の生活に役割を与え、整備活用に際して必要な研修センターを設置するなど、人々が正しく理解するように努めなければならない   」と明記され、入山を制限するという考え方には立っていません。

 私たちは白神に入山する時は、携帯トイレを持参する等、良好な自然環境を保全するため、マナーに配慮していますし、自然環   境へ悪影響を及ぼす場合は規制も止むを得ないと考えます。

    登山は夏期の尾根歩きから、冬期の積雪期登山、沢登り、岩壁登攀等と幅広いジャンルで行われております。

 白神山地の核心部は、その特徴から多数の登山者が入れる地域でなく、限られた熟達者のみの入れる沢登りや冬期の積雪期登山   の場所です、

 この場所を入山規制することは、登山界の発展を妨げると言わざるを得ません。

 現状では登りたくても登れない山が有るのです。

 津軽の母なる川「岩木川」の源流『大川』を遡行し「雁森岳」へは登れないのです。

 岳人の山への憧れをつぶさないでほしいと切望します。

 白神山地世界遺産地域連絡会による意見交換会の場でも、17年経過した現在規制する理由の「自然環境へ悪影響を及ぼす懸念」   は払拭されたとの意見に対して、連絡会側は否定出来ないでいます。

入山規制の根拠は崩れてしまったのです。

27ルートに限って認めるということを撤廃し、「届出さえすれば良い」ことにしていただきたい。

連絡会のご英断をお願い致します。

 

 

以  上