資料@

平成23年 6月17日

青 森 県  
知事  三村 申吾 殿

 

青森県山岳連盟

会長  服部 一雄

日本山岳会青森支部

 支部長 大久保 勉
 

青森県勤労者山岳連盟

会長  成田 茂則

 

『県内登山道整備』に関する要請

 

 謹啓、貴職におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 日頃は、自然環境保護、登山道整備等いろいろとご配慮を頂き感謝申し上げます。

 私たちは、国民祝日として「山の日」制定を提案しています。

 日本は山の国です。古くから日本人は山に畏敬の念を抱き、森林の恵みに感謝し、豊かな自然とともに生きてきました。山の恩恵は渓谷の清流を生み、わが国を囲む海へと流れ、深く日常生活とかかわりながら、人々の心をも育んできました。わが国の文化は、「山の文化」と「海の文化」の融合によってその根幹が形成されたといわれます。

 「山の日」は、美しく豊かな自然を守り、次世代に引き継ぐことを国民のすべてが銘記する日です。祝日「海の日」と対をなして、皆が山との深いかかわりを考える日にしたいと思います。この運動を通して、山々が体の健康や心の健康に欠くことのできないフィールドであることを再確認し、登山の楽しみを広く伝えたいと念願しています。

 つきましては、貴職におかれましても、私たちの提案に賛同され、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

さて、昨年12月4日待ちに待った、新幹線青森駅開業が実現しました。

 開業に伴い、登山客も増えるものと予想されますが、最近の県内の登山道は、荒廃、ヤブ化が目につき、安心して登山客を迎え入れる状態にないと思われます。

 そこで、私たちは、私たち登山者の果たすべき役割を認識し合い、併せて行政の対応や県内登山道の実態を広く県民に知っていただくことを目的に、11月7日シンポジウム『青森県の登山道を考える』を開催致しました。

 シンポジウムは、私たちが参加目標とした50名をはるかに越える県民113名が集い、登山道整備の必要性を訴えられました。

 その中で青森県の登山道は、環境省や林野庁ではなく、青森県人が責任を持つことが大切であると強く感じました。

つきましては、青森県の登山道整備に関して、下記要請致します。

         謹白

 

 

1、青森県は、直轄していない登山道も含め、その存在意義を理解して、荒廃、ヤブ化を防ぐ手立てを講じてい

ただきたいこと。

@北八甲田の田茂萢岳・赤倉岳鞍部〜毛無岱の荒廃箇所の対策をお願いします。

 

 A南八甲田で深いヤブ化が進んでいる赤沼〜赤倉岳、駒ケ峰〜猿倉温泉、廃道化が進行中の乗鞍岳〜黄瀬沼、

蔦温泉〜赤倉岳、赤倉岳〜乗鞍岳、ササ刈りしたといってもほんのスソ刈り程度で、いくら注意をはらって

も木に頭をぶつけてしまう猿倉温泉〜櫛ケ峰のヤブの刈り払いは喫緊の課題です。

2007年4月の私たちの整備要請に対して、「国立公園は環境省の所管なので、県としては主体的に整備

する立場にない、あるいは県の関与は自ずと限界がある」との回答をいただいておりますが、現に矢櫃橋の

管理、さらには毎年高山植物等盗掘防止合同パトロールを行う等県も関与しています。

そこで、国立公園の趣旨に則り保護と利用の両立をはかる立場で、既存の登山道の廃道化を阻止し、広く県

民に南八甲田の自然に親しんでもらうため、障害なく歩けた元の登山道に戻してほしい旨、環境省に強く申

し入れしていただきたい。

環境省で予算上無理とのことなら、新幹線青森駅開業を契機に登山客を青森県に呼び込むため、県で必要な

整備費を投入しても良いのではないでしょうか。ご見解をお聞かせください。

 

 B十和田八幡平国立公園内で、ヤブや倒木が目立つ十和田山登山道の整備を環境省に申し入れしていただきた

い。

 

 C津軽国定公園そばで、登山道が閉鎖された茶臼山を公園に編入する等手立てを講じて、整備をお願いします。

 

 D津軽国定公園そばで、登山道のヤブ化が進む木無岳を公園に編入する等手立てを講じて、整備をお願いしま

す。

 

 E津軽国定公園そばで、林道の荒廃が激しく登山口にたどりつくのが容易でない四ツ滝山の林道整備について、

  林野庁に申し入れしていただきたい。

 

 F下北半島国定公園内で、ヤブ化が目立つ大尽山の刈り払いをお願いします。

 

2、北八甲田登山道は青森県が管理しているものと思っていましたが、昨年の中学生死亡事故で管理者不在の登

山道もあることがわかりました。

北八甲田でヤブ化が著しい谷地温泉〜高田大岳、廃道化が進行中のみちのく深沢温泉〜赤倉岳を県の管理と

し、ヤブの刈り払いをお願いします。

これら二線も含めて、北八甲田の登山道を構成しているのです。現に昨年の事故時すべての登山口に入山禁

止の看板を立てざるを得なかったことがその証ではないでしょうか。

また、青森県が管理している登山道の距離は、東北各県にし著しく劣っている(一桁違う)現状に鑑み、

県の管理としても県民の理解は得られるのではないでしょうか。ご見解をお聞かせください。

 

3、私たち登山者は秋田、岩手等近県の山にも行きますが、ヤブの刈り払いは勿論、湿地帯の木道や標識の設置

等、青森県の登山道整備の遅れを肌で感じています。これまでの積年の整備の遅れの結果と思われます。

東北各県にし著しく劣っている(一桁違う)整備予算の拡充や私たちボランティアの活用等、関係者が知

恵を出し合っていく必要があると思います。

そこで、2012年度予算案策定前に、私達三団体との意見交換の場を設定していただくようお願いします。

                                                                   以上